ことばと音

ことばと音についてかんじたことをことばであらわしています。"Utayomi", a poet of Japanese short poem, waka, writes about music and literature.

Der Kuss

f:id:luna999999999:20190402225004j:plain

『接吻 Der Kuss』Gustav Klimt

 

 

「自分以外の”だれか”をほんとうに愛すること」は、けっして「うつくしいものややさしいもの」だけをよすがにできることではない。
それでも、勇気をもって、それをつづけること。
わたしにはそれしかできない。
どうしたって愛してしまうのなら。

 

そして、それは、たとえどんなにきびしいものであっても、けっして「茨の道」にはなりえない。
そこに「愛することのこのうえないよろこび」があるのなら。
それが、「愛することのこのうえないくるしみ」とともにあっても、わたしはそれを知る前に戻りたいとはけっして言いたくない。

 

わたしのなかにはちっぽけで愛に飢えた女の子がいて、その女の子はいつも「そのひと」の愛がほかのだれかに向けられていたことや向けられるかもしれないことに苦しみ、おびえて泣いている。
けれど、それは「そのひと」を責め、苦しめるためではない。

 

「”ほんとうの僕”がどれほど情けなくてかっこわるいか」なんて、わたしはとうの昔に知っている。
その、「情けなくてかっこわるい”ほんとうの僕”」に誠実に向かい合うかっこよさが、”too good to be true”だ、とわたしは言った。

 

とにかく、もう、「いま」は「いま」しかない。だれにとっても。
みんな老い、やがて死んでゆく。

 

”喜びを自分のために曲げるものは翼ある生命を滅ぼすが、通り過ぎる喜びに接吻するものは永遠の陽射しに生きる”。

 

 

 

 

わたしは永遠の陽射しに生きたいから、この喜びに接吻する。