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おとともじについて

おとともじについてかんじたことをもじであらわしています。

媾曳(あいびき)

その夜、
唇と唇は肩と肩のあいだしか離れていなかった。
体と体は男が腕を伸べさえすればたやすく抱き合うことができる場所にあった。

ふたりは接吻(くちづけ)ず、
抱き合わずに、
それぞれの場所へと帰っていった。

ふたたびの逢瀬に、
そのときはかならず、唇を重ねるために。
ふたたびの逢瀬のその夜に、
そのときはかならず、ひとつになるために。

ふたたびの逢瀬に、
そのままふたりは別れた。

そのまま、ふたりは、別れた。










(2000年に書いた同題の、若い詩に対する大人の詩、です。)

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