おとともじについて

おとともじについてかんじたことをもじであらわしています。

天国より野蛮

天国は、有刺鉄線の向こう側に咲き乱れている。

しかし、それは、そこへゆくために、ほんとうに、越えなければならないものなのだろうか。
そして、それは、越えようとしたときに、ほんとうに、わたくしの白い膚を紅い血で染めるのだろうか。

かつて、無理矢理に捻じ曲げられて、潰げた、わたくしの、骨。
しかし、犯されたわたくしの骨は、光を放った。
その光は、遍く宇宙を照らした。
癒しは一瞬にわたくしを襲ったのだ。
それは、とても容易いことだった。
気づきさえすれば、よかったのだ。

わたくしは、戯れにだれかを愛したことはなかった。
捻じ曲げられた骨でさえ、潰げることによって、その手に報いた。
わたくしは、その手を殺した。
その手の持ち主ですら、永遠に気付かぬように。
いつも、わたくしの世界の内がわからのみ、愛は、生まれた。
わたくし以外の誰にも、それは、生み出せなかった。

ときめきと、
やすらぎと、
ひとつになりたいという慾望と、
ひとつでありつづけることはできないという現実による哀しみとが、
いつも、
その始まりからあった。

すべてを引きうけ、愛は生まれる。

すべてが、いま、かたちとして在ることは、奇跡なのだ。

わたくしのうつくしいからだと、
わたくしのみにくいこころも。

 

 

 

(2016)

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