ことばと音

ことばと音についてかんじたことをことばであらわしています。"Utayomi", a poet of Japanese short poem, waka, writes about music and literature.

2016-10-21から1日間の記事一覧

祈り

愛は、祈り。 祈りは、愛。 『真幸くあれ』と祈るとき、祈りは熱をもった身体から生まれ、その清潔な熱は、意志をもった微かな粒子となって、宙を、放射状にひろがってゆく。 『わたしを愛して』と祈るとき、祈りは潤んだ夢のような光をつくり、その潤んだ光…

秘めごと

赤い木の実の白い秘密 ひと口齧れば、たちまち空へ ひと口齧れば、甘い。ふた口齧れば、…………。 赤い木の実はやさしい罠。その身の中は、深い迷宮。 ひとたび触れれば、 ふたたび触れれば、………。 梢を渡る風の、葉擦れの音。嗤うよ。歌うよ。 E.サティ:グノ…

樂苑

帳がおりて、 夜闇みちても、光はつねにさざめくよ。 ものは見えずとも、まなこつむって、その姿を見る。 動くもの、動かぬもの、すべてのものは遊ぶ。その蓮華の御足に。 罪を負い、うたううたは、ただ歓喜に満ちた寂静(しずけさ)。 春は過ぎ、夏は過ぎ、秋…

THE FOOL ON THE HILL

甘い蜜はすべて呑みこんではいけない。 それは、甘すぎるのだ。 べたべたするような真夜中。 毒を、くれ。毒を。この夜を美しく染める、世界でいちばん清らかな毒を。 プリミティヴなリズムを、くれ。強烈なリズムを。極彩色の轟音で恍惚(ヘヴン)へ導け。 …

在るべき場所に

昨日、 朝、起きたとき、ぼくは、檸檬を、齧っていた。 昨日、朝、起きたとき、ぼく、は、檸檬を、齧っていた。 昨日、朝、起きたとき、ぼく、は、檸檬、を、齧っていた。 昨日、朝、起きたとき、ぼく、は、檸檬、を、齧って、いた。 昨日、朝、起きた、とき…

E.I.I.R.P.による印象【弐】

頭のなかで、 ふたつの色が、躍りだすんだ。 それらは、白と黒のような気もするし、赤と青のような気もする。頭のなかの目では捉えられないようなんだ。この色彩たちは。 針やはらかに降る春雨に、二尺伸びたる檸檬の芽。ぼくの蛹は蝶になれずに死んでった。…

天国より野蛮

天国は、有刺鉄線の向こう側に咲き乱れている。 しかし、それは、そこへゆくために、ほんとうに、越えなければならないものなのだろうか。そして、それは、越えようとしたときに、ほんとうに、わたくしの白い膚を紅い血で染めるのだろうか。 かつて、無理矢…

陽の訪れを待ちながら

草も木も眠りに沈み、暫く。 わたくしは、炭酸水みたいに、ぴちぴちと弾けた爽やかな心持ち。 どす黒の慾望が、『お前を汚してやる』と、言う。 それは愚かな不完全さだ。 優位に在るものは劣位に在るものを支配する。位の優劣は、外界の神が定めたものでは…